店の定休日
四条通りの藤井大丸の地下にある
スーパー<タベルト>によくいく。
先日もパテの缶詰や豚の舌や新鮮な魚を求めて立ち寄ると、
奥のスペースで古本市が開催されていた。
その古本市は魅力的な展示の仕方で
パウロが一緒にいなかったら
何時間でもいろんな本を手に取って
選べたでありましょう。
でもパウロがつまらなそうにして
重い買い物バックを持って
<タベルト>の端で待っててくれている。
私は大急ぎで古本をみた。
で、さらっと読めそうで
面白そうと思った本を手に取った。
大急ぎでお支払を終えて帰宅。
本のタイトルは「つむじ凬食堂の夜」
筑摩書房 作者 吉田篤弘
その夜、寝酒代わりに寝読書をしていると
最後にポルトガル、ポルト酒という言葉がでてくる。
ただそれだけなのに嬉しくてたまらない。
本当に中身もみずに手に取った本に
ポルトガルという言葉が印刷されているだけで
満たされた気持ちになる。
小さな偶然。
こんなに嬉しい。
人は単純でバカなほうが幸せだ。
「つむじ凬食堂の夜」
筑摩書房 作者 吉田篤弘
内容紹介:
懐かしい町「月舟町」の十字路の角にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。無口な店主、月舟アパートメントに住んでいる「雨降り先生」、古本屋の「デニーロの親方」、イルクーツクに行きたい果物屋主人、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に集う人々が織りなす、懐かしくも清々しい物語。クラフト・エヴィング商會の物語作家による長編小説。